『大火の歴史』 *大森町大火慰霊堂
函館は、海に周辺を囲まれており、『大火』を繰り返してきた。
明治から数えると実に10回! *被害が1,000戸以上のもののみ
一番被害の大きかった昭和9年では、10,000戸以上が被害にあうという大災害。
函館大火と言えば、この昭和9年となる。
それ以降、防火帯を大きな街道には設置をしたり、
建築における制限を設ける『防火地域、準防火地域』のエリアを拡大してきた。
よく大きな通りに緑地帯があって、緑が多くていいね。という言葉もきくが、
本当の目的はなんとも実用的なもの。海風が強く、特に函館山の近く!
その風に乗って火が燃え移るのを防ぐためにできた防火帯である。
これが、街並みとしての評価を受けるというのも皮肉というかなんというか…。
今回のテーマは、『防火地域、準防火地域』について。
どういった制限かというと外壁を防火仕様にする。窓ガラスを網入りにする等。
近年、外壁については、メーカー品であれば性能はだいぶ上がってきているので、
さほど問題ではないが、窓ガラス、これが曲者。
一度、シャノンウィンドウが防火仕様の窓ガラスに不正があり、
ただでさえ高かった窓がさらに高騰!…、便乗…?
通常に家を建てるより100万円上がることも常。
場所が気に入っても建てることに二の足を踏む人もいたことだろう。
さらに、防火仕様の窓は、防火性能は上がるが、断熱性能は下がる。
新しく家を建てる人にとっては、金額が上がるのに性能が下がるような感覚。
それを今回、エリアを縮小しようという動きがある。
これは、大変歓迎すべき話ではないかと思う。
実際、80年前の大火を最後に起こっていない。
これは、努力をしてきた防火帯や防火地域の制定もあるが、
住宅の性能が改善された結果も大いにあるのではと思う。
北海道新聞の記事にもあるが、緩和をすることでそのエリアに建て替える人も増え、
性能の良い現在の家に変わることで耐火の性能もあがるとの予測。
矛盾した話にも思うが、建て替えず、古く性能の悪い家を置いておくより、
新しい家が建つほうが当然良くなるという考え。
これは、賛成半分、反対半分という感じか。
防火地域の縮小については大いに賛成する。
が、防火地域の制定されているエリアが、西部方面に多く、
このエリアに無作為にいろいろな家が建つのは、街並みから考えると大きく賛成できない。
『函館の西部地区』は、とても独特な雰囲気の持ったエリア。
この街の雰囲気は末永く残してほしい。
新たに建て替えるのもいいが、古民家のような貴重な建物は、一度利用を考えてほしい。