江差の『いにしえ街道』を代表する名家『横山家』、
北海道の有形文化財にも指定されており、築年数は160年を超える。
函館でもそこまで古い建物は残っていないのではないか。
その横山家の8代目当主が亡くなり、本日5月31日をもって、
一時閉館となるようだ。
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いまだ目途は立っていないらしい。
江差に住んでいない親族の方は、江差町に運営をしてほしいと
言っているらしい。
この横山家に入ったことはないが、同じく『いにしえ街道』にある
横山家と双璧をなす、『中村家』がある。
どちらも入館料300円で、中に入れる。
そして、建物の歴史などを説明してくれる人がいる。
行ったのは15年位前だから、今がどういう運営になっているかは知らないのだが、
当時訪れたことは結構覚えている。
まずは、建物がいにしえ街道から国道227号線まで細長く建っている。
いにしえ街道が国道より2mくらい高くなっており、
建物もその勾配に合わせる形で伸びている。
なぜ、こういう建て方かというと現在の国道227号線は、
当時、海だった。
ということは、建物先端が海に接した造りとなっていたということだ。
ニシン漁で有名な江差。
米が取れなくてもニシンは取れることから、『ニシンは魚にあらず、米である』
と言われていたという。
その大事なニシン漁の為に
家からそのまま船に乗って漁業に出るという画期的な建物だったのだろう。
ここからは、記憶力が薄弱な私が15年前の記憶から
中村家に行った時の感動を思い出してみる。
中村家 ←をクリック
15年前というと大学を卒業し、就職してすぐの時。
ふらっと江差に訪れた時に立ち寄った。
案内してくれた女性の説明が非常に面白かったというの覚えている。
広い土間の奥に大きな畳座の番頭台のある部屋があり、
2階というか屋根裏に行く階段がいくつかあったような気がする。
ちょっと隠し部屋のようにしており、
お得意様やお偉方が来た場合に使っていた。
そして、当時は海だった国道側に下っていくと、
倉庫代わりにしていたであろう空間になっていて、
窓はあまりない。
家の土台としても使われている石を北前船によって運んできたらしい。
その石が1つ飾ってあり、とてもきれいだったことはなんとなく覚えている。
と、15年前なんてこれ以外何も覚えていないくらいだが、
ここの印象はとても良かった。
そんな江差の重要な建物。
今後も現役で、しっかりとした保存と活用を願う。